
遮熱とは?
『夏の夜、家の中はなぜ暑いの?』

ある夜のこと。「熱帯夜」と呼ばれる最低気温25℃以上という暑さのなか、あまりの寝苦しさに外に飛び出したとき「あれ?外はこんなに涼しいんだ!」っと思わず出た言葉。猛暑と呼ばれる夏でも夜は結構涼しいんですね。でも家の中はクーラー無しではいられないほど暑い。なぜこうなるのか分かりますか?
答え:それは家そのものが暑くなっているからです。つまり日中屋根や外壁が太陽に熱せられ溜め込んだ熱を、部屋の中に放熱しているからです。 「でも窓を開ければ外の気温と同じになるんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。確かに温度は同じになりますが、気温つまり空気の温度ではなく、天井や壁の温度が高くなっていることが原因なのです。これを理解していただくには「熱の伝わり方は3つある」からお話しする必要があります。
『熱の伝わり方は3つある』
熱の伝わり方、つまり熱の移動には「伝導」「対流」「輻射」の3つの形態があります。以下にそれぞれについて説明します。

「伝導」
直接接触することで熱が移動することを指します。例えば熱したフライパンで肉を焼く、カイロで体を暖ためるなどは伝導による熱移動です。

「対流」
空気を媒体に熱が移動することを指します。例えば温風ヒーターで部屋を暖める、ドライヤーで髪を乾かすなどは対流による熱移動です。

「輻射」
電磁波(遠赤外線など)を放射して熱が移動することを指します。例えば電子レンジで“チン”や、冬に風の吹く中ドラム缶で焚き火をしたときに暖かく感じるなどは輻射による熱移動です。
太陽と地球の関係はこの輻射による熱移動で、辞書には「熱放射は、輸送元の物体が電磁波を出し、輸送先の物体が吸収することによって熱を運ぶ。この方法だと、二つの物体のあいだに媒介する物質がなく、真空であったとしても熱を伝えることができる。地球が太陽から熱を得ているのは熱放射の例である。」とあります。

つまり輻射とは子供の頃テレビで見たウルトラマンのレーザー光線のようなもので、怪獣にレーザー光線が当るとその熱で怪獣が爆発することによく似ています。

電磁波そのものには熱はなく、電磁波が物体に当ると電磁波の振動エネルギーによりその物体の分子が振動し摩擦することで熱を帯びるというものです。 ちなみに電子レンジは1秒間に24億5千万回(2.45GHz)振動するエネルギーで食品を温めます。
夏の夜、外は涼しいのに部屋の中が暑く感じるのは「輻射」による熱移動が原因です。それは太陽から放射される電磁波により屋根や外壁が熱せられ、次に熱くなった屋根や壁から放射される電磁波が、天井や壁を通して体にぶつかり熱を発生させるからなのです。
つまりこの輻射(電磁波)を食い止めることが出来れば、夜の室内は屋外と同じ環境に近くなり(*1)涼しく過ごすことができるのです。
*1)夜間の屋外は大気の放射冷却現象の働きも加わり室内より涼しく感じます。放射冷却現象も輻射であり、大地や体から熱が上空の大気へ放射され冷やされる現象のことです。
携帯電話が掛からない!?
サーモバリアで携帯電話を包むと携帯電話の電波が遮断され、電話が掛からなくなります。 ちなみに日本の携帯電話は電子レンジ(2.45GHz)に近い2.1GHz帯を使用しています。
*建物の場合、窓から携帯電話の電波が通りますので、電話がつながらないことはありません。
『高いから低いへ』
熱は温度の高い方から低い方へ移動します。夏はクーラーで冷えた室内に屋外から熱が移動し、冬は暖房で温まった室内から屋外へ移動します。

夏の日中、屋根の瓦は70℃以上、外壁は50℃以上にもなります。(瓦や外壁の色により温度の差があります)この瓦や外壁から放射される輻射熱で室内の天井や壁が温められ、次にその熱が人体に向けて放射され体が熱くなります。瓦や外壁に使用される建材は陶器やコンクリートで出来ており、蓄熱する特性に優れていますので夜間になっても温度は高く、屋外への熱放出(放射冷却)と同時に建物内部へも熱を放出し続けるため、夜間でも室内が屋外に比べ暑く感じることになります。

冬も日中、屋根の瓦や外壁は太陽からの輻射により熱せられますが、夏と比べて日照時間は短く日照角度もゆるくなるため、日中でも瓦や外壁の温度は室温を若干上回る程度にとどまります。このため冬は暖房された室内の方が瓦や外壁よりも温度が高くなるので、暖められた室内の天井や壁から瓦や外壁そして屋外へ向けて輻射熱が放射され、これにより室内が冷やされるかたちとなります。
熱の移動の方向は空気を熱移動の媒体とする「対流」のみに基本的に特定の方向があり、上下、つまり温度の高いものが上昇し低いものが下降します。湿気も同じで同じ温度の場合、湿度の高い方から低い方へ移動します。
ただし、実際の住宅を取り巻く環境(室内・屋外)では、温度、湿度、気圧が複雑に絡み合っており、空気や湿気の移動は状況に応じて変化しますので、その都度正しい判断が求められます。
『断熱と遮熱の違い』
よく断熱と遮熱を同じように考える方がいますが、断熱と遮熱は違うものです。 断熱は「対流」「伝導」による熱移動に対して大変有効なものです。断熱材は空気の働きで熱の移動を遮断します。空気は熱伝導性が低い特性がある反面、対流を起こし熱を移動させる性質があります。断熱材はじっとして動かない空気(静止空気)を使い、対流や伝導による熱の移動を遮断します。対流による熱移動の例として、空気をたくさん含んだダウンジャケットは寒いスキー場でも体を暖かく包んでくれます。

伝導の場合は、熱くなった鍋を空気を含んだ乾いたタオル使って掴むことができます。ちなみに濡れたタオルで掴むとすぐさま熱くなり掴むことができません。このように断熱材は対流と伝導の熱移動に効果があります。 遮熱は「輻射」による熱移動に対して大きな効果があります。遮熱には金属幕を使用しますが、中でもアルミは輻射熱(電磁波)の反射に優れ、最大97%カットします。(一般の断熱材は反射率10%程度) 遮熱の効果として太陽からの輻射熱の反射が最も期待されます。

太陽から放射される熱の46%が大地に吸収され、24%が雲と大気に吸収され残りの30%は反射されるといわれます。(大気環境概論)つまり雲と大気が吸収し対流熱となった熱24%に対し、その約2倍に当る太陽から大地に放射される46%の輻射熱が私たちの住まいを熱くしているのです。このことから夏の暑さを防ぐには、いくら断熱材の性能を上げたところで輻射熱を抑えない限り効果が薄いことが分かります。輻射熱を反射することはヒートアイランド現象を抑え、建物そのものの温度上昇を抑えますからクーラーの使用量も減少し、結果CO2の削減に貢献します。
『遮熱材と木陰の違い』
他社の遮熱材の涼しさの例えでよく「木陰のような涼しさ」と言われますが、本当に木陰と同じ効果があるのでしょうか? 遮熱材も木陰も同様に日陰を作り涼しく感じますが、同じようでも遮熱材と木陰が涼しい理由には違いがあります。それは「遮熱材は輻射熱」「木陰は気化熱」という違いです。
*「輻射熱」については『サーモバリアの構造と特性』をご覧ください。
気化熱とは液体の物質が気体になるときに周囲から吸収する熱のことです。液体が蒸発するためには熱が必要になります。その熱は液体が接しているものからうばって蒸発します。

つまり木の葉は太陽に照らされて、葉の表面の水分が温度をうばって蒸発します。このため気化熱により冷やされた木の葉の下は他の日陰よりも涼しくなるのです。
ちなみに1gの水が蒸発すると540カロリーの熱量がうばわれることになります。 最近、屋上に木を植えたり、花壇を作ったりするビルが増えてきましたが、この屋上緑化は都会に緑を増やしヒートアイランド現象を少しでも軽減する働きもありますが、実は木陰と同じで、気化熱を利用した天然クーラーの役割をしてくれます。

近年ヨーロッパで屋上緑化された住宅をよく目にしますが、日本でも昔から気化熱を利用し涼しさを得ていた住宅があります。それはカヤの屋根でできた合掌造りです。
カヤの屋根は雨を保水し、日照りのときに蒸発しその気化熱で涼しさを得ることができるのです。 扇風機が涼しい理由は気化熱を促進させる働きによります。それは風により身体の表面の汗などの水分が蒸発して、気化熱によって皮膚の表面温度が下がるからです。
遮熱材は輻射熱(電磁波)を跳ね返すことで熱の移動を抑え涼しさを得る、木陰は気化熱により熱を蒸気とともに発散することで涼しさを得るという違いがあります。
『冬でも遮熱』
「遮熱は夏は効果があるけど、冬は逆効果になって寒くなるんじゃないの?」と言われる方がよくいらっしゃいます。ところが遮熱は冬にも効果があるのです。

冬は屋外よりも暖房された室内の方が暖かくなります。暖房には温風ヒーターのような「対流」を利用したものや電気カーペットや床暖房のように「伝導」を利用したもの、更には薪ストーブや遠赤外線ストーブのような「輻射」を利用したものがありますが、いずれにしても暖房することで室内の天井や壁、床を暖めることになります。温まった天井や壁、床は温度の低い屋外に向けて輻射熱を放出します。断熱材により対流熱や伝導熱はある程度抑えることは出来ますが、輻射熱を抑えることはほとんど出来ません。屋内の熱移動の割合は対流が30%、伝導が5%、輻射が65%とも言われます。この輻射を止めない限り快適な空間をつくり出すには大きなエネルギーが必要となり、家計も苦しくなるばかりです。 遮熱材はこの輻射熱を反射し、室内の暖房された熱を逃さない働きがあります。
『最も恐ろしい結露』
建物の不具合で最も恐ろしいものは“結露”です。雨漏りは雨のときだけ発生しますが、結露は雨降りに関係なく発生します。結露により濡れた建物にはカビが繁殖し、シロアリや木材腐朽菌などの発生により絶大な被害が予想されます。
結露は温度差によって起こる現象で、建物のあらゆるところで発生する可能性があります。例えば冬に温まった部屋の空気が壁の隙間に入り、そこで冷やされて結露をおこす「壁体内結露」などがあります。また、結露は冬だけでなく夏でも発生します。湿った外気が冷房で冷やされた建物内部に入り込み床下や壁の中で冷やされ結露することがあるのです。
遮熱材の多くはアルミが使われます。アルミは熱伝導性が非常に高いので結露しやすい素材です。遮熱をする場合には必ず結露対策を取るようにしましょう。
結露を抑えるには、温度差の解消、そして湿度調整、換気が必要です。
温度差を抑えるには「伝導」「対流」「輻射」の全ての熱移動に対応する必要があります。結露は思わぬことが原因で起こることがありますので、特に注意が必要です。次に湿度調整は冬における暖房や、生活の中で発生する蒸気が対象として考えられます。暖房で注意することは石油ファンヒーターやガスファンヒーターのような、燃焼ガスを室内に放出する暖房機器の使用です。灯油やガスは燃焼時に化学反応により水蒸気が発生します。このため室内に放出された燃焼ガスは多くの水蒸気を含んでおり、最も結露が起こりやすい暖かく湿った空気が室内に充満します。遮熱シートで高気密住宅を建てた場合は、エアコンや燃焼ガスを外部に放出できる煙突や排気管のある暖房機器を必ず使用するようにしましょう。入浴や調理など生活の中で発生する蒸気については換気が有効です。室内の換気も合わせて、屋根裏、床下、外壁内部の換気をすることで結露を抑えることが出来ます。換気については工法、換気冷暖房システムにより異なりますので、設計者、工務店等の施工者の判断によります。
『サーモバリアの構造と特性』
純度99%のアルミ箔が太陽からの輻射熱を反射

夏の日中、太陽から放射される輻射熱(電磁波)により屋根の瓦は70℃以上、外壁は50℃以上にもなります。(瓦や外壁の色により温度の差があります)この瓦や外壁から放射される輻射熱で室内の天井や壁が温められ、次にその熱が人体に向けて放射され体が熱くなります。夜間になり外気温度が25度以下に下がっても室内が熱く感じるのは、日中に熱を持った瓦や外壁の熱が室内に向けて放射しているからなのです。
熱の移動には「伝導」「対流」「輻射」の3つ形態があります。屋内における熱の移動の割合は対流が30%、伝導が5%、輻射が65%とも言われます。
このことから快適な室内環境をつくりだすには輻射熱を止めることが重要です。これまでの「断熱」に「遮熱」を加えることが鍵となります。 サーモバリアは純度99%のアルミ箔を使用し太陽からの輻射熱を反射します。
研磨されたアルミニウムは、赤外線や紫外線などの光線、ラジオやレーダーから発する電磁波、さらに各種熱線をよく反射する特性を持ちます。純度の高いアルミニウムほど、この性質は優れており、純度99%以上のアルミニウムは放射エネルギーの90%以上を反射します。
サーモバリアの構造

サーモバリアは純度99%のアルミ反射材を両面に使用し、中間に断熱性を高めるためにバブルポリエチレンを挟んだ単純構造体です。 種類は2種類で、中間のバブルポリエチレンが1枚のものと2枚のものがあります。反射材のアルミ箔は同じですが、厚みが4ミリと8ミリで用途により使い分けます。4ミリは5層構造、8ミリは7層構造となります。
アルミ箔とポリエチレンの接着は、熱を加え溶融接着するため接着剤は不使用ですので接着剤の溶剤による健康被害はありません。 サーモバリアの反射材にはアルミ箔を使用しますが、アルミ蒸着(*2)は使用しません。それはアルミ蒸着では反射率が落ちるからです。細かい粒子が付着したアルミ蒸着に比べ、アルミ箔は1枚のシート状になっているため、電磁波が通り抜ける隙間がありません。
見た目では分からない違いが、その効果を大きく左右します。
*2)蒸着とは、高真空の中で金属を加熱蒸発させ、ベースとなる素材の上にこの蒸発した金属の薄膜を形成する技術のことです。
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