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断熱とは?断熱と遮熱の違い、断熱対策のメリット、具体的な対策について紹介

断熱材・暑さ対策
断熱とは?断熱と遮熱の違い、断熱対策のメリット、具体的な対策について紹介

近年では、数多くのハウスメーカーが「高断熱の家」を取り扱うようになりました。高断熱の家とは、断熱性能が高い家のことを指します。築年数の古い家など、家の断熱性能が弱い場合は、屋根・壁などに断熱対策を行うことで、断熱性能を高めることが可能です。

夏の暑さ・寒さ対策には、断熱の他に遮熱がありますが、仕組み・役割に違いがあるの注意しましょう。本記事では、断熱の意味を紹介するとともに、よく間違えられやすい遮熱や保温との違い、断熱のメリット、具体的な断熱対策について解説します。

断熱とは?

断熱とは、熱源に接しているか又は放射の影響範囲にある物体間の、熱の伝達を減らすことです。そして熱の伝達を減らすことに貢献する材料を総称して「断熱材」と言います。建物や機器などの断熱材は、外部からの熱の侵入や内部からの熱が逃げることを最小限に抑えることで、建物や機器の内部の温度を一定に保つことができます。断熱材は熱の伝達を減らす(遅らせる)特性を持っており、建築物や車両などの構造体で使用されることが一般的です。

断熱材の仕組み

また住宅に断熱対策を行う場合は「断熱材」を使用します(下画像参照)。断熱材と聞くと、「熱を止めるもの」と感じる方も多いことでしょう。しかし正確には、熱の伝わりを遅くするものです。そのため住宅に断熱材を施工したとしても、熱の伝わりを止めることにはならず、熱源に長時間接していれば(例えば、太陽光に長時間晒される等)、住宅内の空気は熱せられ、室温は上昇します。

画像引用元:ニフティ不動産様

断熱材は、主にたくさんの空気の層で構成されています。空気は熱の伝わりが遅いので、断熱材を屋根・壁に施工することで、太陽などから来る熱の影響を遅らせることができるのです。そして断熱材は、素材によって種類が異なります。主な種類は、以下の通りです。

  • グラスウール……ガラスを細い繊維状に加工して作られた断熱材のこと。
  • ロックウール……鉱物(玄武岩、スラグなど)を、繊維状に加工した断熱材のこと。
  • セルロースファイバー……天然木質系の原料(紙くずなど)を綿状に加工した断熱材のこと。

断熱材は素材によって性質が違うので、メリット・デメリットも異なります。たとえばガラス繊維で作られたグラスウールは、断熱性・不燃性に優れている一方、湿気に弱いです。このように断熱材の種類によって良し悪しがあるので、施工する時には施工箇所にあわせて適したものを選びましょう。

関連記事:断熱材はどう選べばいいの?断熱材の選び方と、種類をわかりやすく解説

断熱で防げる「熱の種類」とは?熱の伝わり方から、詳しく解説

また、断熱は伝導熱・対流熱を抑える働きがあります。伝導熱、対流熱について解説するために、まずは熱の伝わり方の種類についてしていきましょう。熱の伝わり方には、輻射熱・伝導熱・対流熱の3種類があります。

熱の種類それぞれの熱の説明については、主に以下の通りです。

  • 伝導熱……湯たんぽ、カイロ型の熱で、直接触れて伝わる熱のこと。
  • 対流熱……エアコン、温風ヒーター型の熱で、風や空気で伝わる熱のこと。
  • 輻射熱……遠赤外線によって直接伝わる熱のこと。

伝導熱は、熱が物質によって運ばれる現象のことです。伝導熱は、熱の伝わりやすさを熱伝導率(W/m・K)で表します。熱伝導率は数値が高くなるほど、熱が伝わりやすいのが特徴です。

対流熱は、熱を蓄えた気体・液体の移動によって、他の物質に伝える熱のことです。対流は空気が動くことで移動する性質から、対流熱とも呼ばれます。

そして輻射熱は、遠赤外線によって伝わる熱のことです。輻射熱は人体の奥まで届くため、体感温度を上げる原因のひとつとされています。

関連記事:熱はどうやって伝わるのか?輻射(放射)熱、対流熱、伝導熱の3つの熱の種類と違いについて

断熱と遮熱の違い

夏の暑さ・冬の寒さ対策には、熱の伝わりを遅らせる断熱の他に、遮熱があります。遮熱とは、日射・電気ストーブなどによる輻射熱を、遮熱材を利用して反射し、熱の伝わりを防ぐことです。この遮熱効果をもつ素材のことを、遮熱材と呼びます。遮熱材の種類は、主に以下のとおりです。

  • 遮熱塗料……遮熱機能を持った、塗料のこと
  • 遮熱シート……遮熱効果をもつ、金属製アルミシートのこと

遮熱塗料と遮熱シートの違いは、耐用年数です。例えば工場などの折板屋根などに施工する遮熱塗料は、種類によって耐用年数が異なります。種類別の耐用年数は、以下のとおりです。

  • アクリル系…6年
  • ウレタン系…8年~10年
  • シリコン系…10年~15年
  • フッ素系…15年~20年以上

遮熱塗料の場合、種類によっては塗り直しを定期的に行わなければなりません。それに比べて遮熱シートは、耐用年数が長いのが特徴です。それぞれに特徴が異なるので、選ぶ時は目的・施工箇所にあわせて選びましょう。

夏は、暑さの原因となる輻射熱を防ぐ遮熱対策を行うことで、暑さを感じにくくなります。さらに冬は、遮熱対策を行うことで室内の熱が外に逃げるのを防ぎ、暖かく過ごせます。

遮熱は輻射熱に効果を発揮する一方、伝導熱・対流熱には効果を発揮しません。遮熱と断熱は、仕組みと役割に違いがあるので、混合しないよう注意しましょう。

関連記事:遮熱と断熱の違いとは?「遮熱」と「断熱」の仕組みや効果の違い、遮熱・断熱対策について紹介

断熱対策を行うメリット

住宅の屋根・壁に断熱対策を行うと、どのようなメリットを得られるのでしょうか?ここでは、断熱対策を行う2つのメリットについて紹介します。

  1. 夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができる
  2. 省エネ効果が期待できる

熱の伝わりを遅らせ、年中快適に過ごせる

夏の暑さ・冬の寒さは、室内に暖気・冷気が侵入することが要因のひとつとされています。夏の暑さや冬の寒さを防ぐには、外気の影響を受けにくくさせるための断熱対策が欠かせません。

断熱材を屋根・壁に設置することで、外からの熱移動を抑えることができます。住宅の屋根・壁に断熱対策を行うことで、夏は涼しく過ごせることでしょう。さらに冬は、暖房の効きがよくなるので、寒い時期も快適に暮らせます。ただし注意点もあります。

※注意点※

断熱材はあくまで熱の伝わりを遅らせる素材ですので、長時間にわたって暑さや寒さが続くと、家の中が徐々に暑くまたは寒くなってしまいます。そのため、遮熱材と組み合わせてより効率よく、対策を行う必要があります。

省エネ効果が期待できる

エアコン気密性の低い家は、冷暖房をつけても思ったような効果を発揮しません。その理由は、冷気・暖気が隙間から外に放出されてしまうからです。冷暖房設備の効果を高めるには、家の気密性を高めることが、まず必要です。

また断熱材を施工することで、室内に外からの暑さ寒さが伝わりにくくなります。つまり冷暖房の効きが良くなり、省エネ効果を期待できるのです。

個人で対策できる断熱対策を紹介

断熱対策は、個人でも対策が可能です。本項目では、個人でも簡単にできる断熱対策について紹介します。

  • 窓用断熱シートを窓に貼る
  • 窓の前に厚手のボードを立てる

窓用断熱シートを窓に貼る

冬の窓際窓ガラスに窓用断熱シートを貼ることで、外気の影響を受けにくくなり、夏は涼しく冬は暖かく過ごせます。窓用断熱シートとは、窓ガラスに貼ることで熱の伝わりを遅らせる作用をもつシートのことです。窓用断熱シートは、窓ガラスに貼るだけで夏場の熱・冬場の冷気の流入を防げるので、「手軽に、部屋の断熱対策を行いたい」という場合におすすめです。

窓用断熱シートは、断熱効果の他にも結露を予防する効果が期待できます。結露とは、窓などに水滴が付着することです。結露は、室内外の温度差で起こります。窓用断熱シートの設置により、室内外の温度差を抑える働きによって、結露を防止します。

窓の前に厚手のボードを立てる

室内へ侵入する熱の70%近くは、窓から入ってくると言われています。部屋の断熱性能を高めるには、窓の断熱性を高めることが重要です。

画像引用:選ぶなら、樹脂窓です。(YKK AP)

窓の断熱対策には、建物の断熱材として使われているスタイロフォーム(発砲プラスチック)などでできた厚手のボードを、窓の前に立てる方法がおすすめです。スタイロフォームとは、ポリスチレン樹脂を主原料とする断熱材です。スタイロフォームは空気層の働きによって、熱の伝わりを遅らせる作用があります。

窓の前に、断熱性能のある素材を使用した厚手のボードを立てておくことで、暖気・冷気の侵入を防ぎ、年中快適に過ごせます

夏の暑さ・冬の寒さに効果のある、断熱対策を紹介(業者)

断熱対策を効果を高めたい、より広範囲に行いたいと言う場合であれば、業者に依頼するのがおすすめです。では、業者に依頼できる断熱対策には、主にどんな方法があるのでしょうか?ここでは、業者に依頼できる断熱対策について紹介します。

  • 窓を二重窓にする
  • 屋根裏・壁に断熱材を施工する

窓を二重窓にする

二重窓窓を二重窓にすることで、外気の影響を受けにくくなり、断熱性を高めます。二重窓とは、窓の内側に新たに窓を設置することで、二重構造にした窓のことです。二重窓には、外窓と内窓の間にある「空気の層」の働きによって、室内外の熱移動を抑え、夏は室温上昇、冬は室温低下を防ぎます。

二重窓は、主に寒い地方で多く採用されている窓の一種です。二重窓は断熱効果の他にも、室内外の熱移動を防ぐので結露・カビが軽減するといった嬉しいメリットも。その他にも、気密性が上がることから、防音性もアップします。窓を二重にすることで、空き巣が侵入しづらくなるので、防犯効果も期待できるでしょう。

参考記事:窓を内窓・二重窓にリフォーム!内窓・二重窓の交換費用や基礎知識について(リクシル)

屋根裏・壁に断熱材を施工する

壁の断熱材屋根裏・壁に断熱材を施工することで、夏は太陽から放出される熱の伝わりを遅らせ、室温上昇を防ぎます。さらに冬は、室内の熱が外に逃げるのを防ぐ働きにより、暖かく過ごせます。屋根裏・壁に断熱材を施工する方法には、主に以下の2種類があります。

  • 充填(じゅうてん)断熱……柱と柱の間に、断熱材を入れる工法のこと。
  • 外張り断熱…構造体の外側に、断熱材を入れる工法のこと。

充填断熱では、発泡プラスチック(スタイロフォームなど)・繊維系(グラスウールなど)の断熱材を使用するのに対し、外張り断熱は発泡プラスチック系の断熱材(EPS材・XPS材など)を使用します。

外張り断熱は充填断熱工法より断熱性が高い一方、手間がかかるのでコストが高くなるデメリットがあります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、予算にあわせて施工方法を選びましょう。

関連記事:断熱工事とは?費用の目安や効果・注意点から一緒に行うべき遮熱工事まで紹介

まとめ

個人、業者で対策できる断熱方法は、主に以下のとおりです。

(個人)

  • 窓用断熱シートを、窓に貼る
  • 窓の前に、厚手のボードを立てる

(業者)

  • 窓を二重窓にする
  • 屋根裏・壁に断熱材を施工する

断熱材は、空気層が厚いものほど効果が高く、断熱性能がアップします。高い断熱性を求めている場合は、空気層が厚いものを選びましょう。家の断熱性能を高めることで、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる家づくりが実現します。

理想の断熱

断熱は伝導熱・対流熱に効果を発揮しますが、太陽・電気ストーブから放出される輻射熱には効果を発揮しません。輻射熱・伝導熱・対流熱の熱移動を防ぎたい場合は、断熱・遮熱対策を同時に行うことで、理想の断熱が実現します。断熱・遮熱対策を住宅の屋根裏・壁に行い、夏は涼しく冬は暖かい環境を構築しましょう。

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ライフテック
編集部

自宅や工場の熱問題に取り組む、株式会社ライフテックの編集部が執筆・監修を行いました。

当社は、断熱材だけでは防げない輻射熱を97%カットすることができる遮熱材「サーモバリア」を販売しております。サーモバリアは、住宅や工場などの屋根や壁に使用することで、夏の太陽の輻射熱による建物の温度上昇を抑え、体感温度を下げることができる、自宅や工場の熱問題の解消につながる製品です。

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