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工場が暑くなるのは輻射熱が原因?工場が輻射熱の影響を受ける理由、輻射熱対策について紹介

暑さ対策・工場
工場が暑くなるのは輻射熱が原因?工場が輻射熱の影響を受ける理由、輻射熱対策について紹介

工場内が暑くなる原因の1つに、輻射熱が挙げられます。輻射熱とは、遠赤外線などの熱線によって伝わる熱のことです。太陽や機械(焼成炉など)から放出される熱は輻射熱にあたります。建物内の暑さの原因は主に太陽光からくる、輻射熱が原因です。

工場は建物屋根で使用されている折板屋根など、さまざまな理由から輻射熱の影響を受けやすいため、室内が暑くなやすいです。室内が暑いままだと、そこで働く従業員の体調不良・熱中症などを招く恐れがあるので、夏の輻射熱対策(=暑さ対策)が欠かせないと言えるでしょう。

本記事では、工場内が暑くなる原因のひとつである輻射熱の意味、工場が輻射熱の影響を受ける理由を踏まえた上で、具体的な輻射熱対策について紹介します。

夏の暑さに輻射熱対策が必要な理由とは?3つの熱移動から、詳しく解説

輻射熱は、空気を介さずに物体間で伝わる熱の一種であり、遠赤外線を通じて移動します。遠赤外線は、波長の範囲が3μm~1000μmの赤外線の一種であり、日射などの熱源から放出されます。建物や物体が遠赤外線に当たると、それを吸収して熱エネルギーに変換され、物体が暖められることになります。そして、建物内が熱くなる原因は、太陽光などの熱源からの熱が建物の表面に当たり、その熱が室内に放出されることによるのです。

輻射熱次に「熱の3つの伝わり方」について解説します。熱には3つの伝わり方があり、建物内の熱移動の割合は以下のグラフのとおりです。

熱の種類

  • 伝導熱……湯たんぽ、ホットカーペット、カイロのように、直接触れて伝わる熱のこと。(熱移動の割合:5%)
  • 対流熱……エアコン、温風ヒーターのように、風や空気で伝わる熱のこと。(熱移動の割合:20%)
  • 輻射熱……電気ストーブや床暖房、太陽のように、遠赤外線によって伝わる熱のこと。(熱移動の割合:75%)

建物内の熱移動のうち、大半が輻射熱となるため、夏の暑さ対策には輻射熱をコントロールすることが大切です。輻射熱には太陽の熱も含まれるので、日射の影響を受けやすい工場の暑さ対策では、輻射熱対策が欠かせないと言えるでしょう。

関連記事:輻射熱(放射熱)とは?対策方法から特徴までをわかりやすく解説

工場が、輻射熱の影響を受ける理由

工場は、建物の素材や設置している機械など、さまざまな理由から輻射熱の影響を受けます。工場が輻射熱の影響を受ける主な2つの理由について、解説していきます。

  • 屋根に金属の素材を使用している
  • 輻射熱を発する機械を設置している

屋根に金属の素材を使用している

折板屋根工場・倉庫などの屋根は、金属製の折板屋根や、瓦棒屋根を使用しているケースが多いです。それぞれの屋根の特徴は、以下のとおりです。

  • 折板屋根……金属の板を、凹凸状に折り曲げて加工した屋根材のこと
  • 瓦棒屋根……木の棒と、金属の板で構成された屋根材のこと

工場の屋根で使用されることの多い金属は熱伝導率が高く、熱が伝わりやすい素材のため、夏は日射の影響を受けて屋根の表面が熱くなってしまいがちです。 日射によって暖められた屋根の輻射熱は、建物内に侵入するため、室内が暑くなります。

輻射熱を発する機械を設置している

工場で機械を稼働させると、機械から大量の輻射熱が放出されます。この輻射熱は、空気の温度ではなく人体の体感温度を上昇させるので、作業員は暑さを感じやすくなります。

機械の周囲で働く作業員は、輻射熱の影響を受けやすいため、体調不良やだるさ、熱中症になる危険性があります。特に乾燥炉や溶鉱炉のように高温の輻射熱を発する設備がある場合は、注意が必要です。

乾燥炉は、塗料やフィルム、金属箔などから溶媒や水分を除去する装置であり、溶鉱炉は鉄鉱石から鉄を取り出す設備です。これらの場所は高温になりやすいため、機械からの輻射熱に対する対策が欠かせません。

関連記事:工場の暑さ対策と省エネにオススメの方法。労働環境を改善し、従業員の満足度を大幅UP

工場の輻射熱対策について紹介

次に工場の暑さ対策をご紹介します。工場では、日射や機械から放出される輻射熱が暑さの原因となります。ここでは、その中でも「輻射熱」に注目し、その対策方法を紹介します。

  • 遮熱機能付きの屋根材を使用する
  • 屋根に遮熱塗料を塗装する
  • 屋根用スプリンクラーを設置する
  • 工場の屋根に、遮熱シートを施工する
  • 機械に遮熱シートを施工する

遮熱機能付きの屋根材を使用する

遮熱機能付きの屋根材は、日射から放出される輻射熱を反射する特性があります。これにより、室内の温度上昇を抑えることができます。工法としては、葺き替えやカバー工法などがあります。

  • 葺き替え……すでにある屋根材を撤去して、新しい屋根材に交換する工法のこと。
  • カバー工法……屋根材の上に、遮熱機能を持つ屋根材を重ねて設置する工法のこと。

カバー工法は葺き替え工事と比べて工事費用が安く済むメリットがありますが、屋根材が二重になるので、屋根の部分が重くなるといったデメリットも……。葺き替え、カバー工法には、それぞれメリット・デメリットがあるので、コストや目的にあわせて施工方法を選びましょう。

屋根に遮熱塗料を塗装する

塗料遮熱塗料は、近赤外線や輻射熱を反射する塗料です。屋根に塗装することで、日射による熱を室内に侵入させず、室温を下げる効果があります。塗料の種類によって耐用年数が異なるため、選ぶ際には注意が必要です。種類別のおおまかな耐用年数は、以下のとおりです。

  • アクリル系…6年
  • ウレタン系…8年~10年
  • シリコン系…10年~15年
  • フッ素系…15年~20年以上

遮熱塗料は耐用年数が短いものほど性能が低いため、短い期間で塗り直しを行う必要があります。「長く効果を持続させたい」という場合であれば、なるべく耐用年数が長いものを選びましょう。

屋根用スプリンクラーを設置する

画像引用:屋根散水システム【暑熱対策】(株式会社 イーエス・ウォーターネット)

屋根用スプリンクラーは、屋根に設置される散水機です。屋根が熱くなるのを防ぐために、散水によって冷却します。これにより、室内への輻射熱の影響を軽減し、室温上昇を防ぎます。

工場の屋根に遮熱シートを施工する

遮熱シートは、輻射熱を反射する金属製アルミシートです。工場の屋根に施工することで、日射による輻射熱を防ぎます。施工方法としては、スカイ工法や折板屋根下工法があります。

工場屋根に施工する場合、スカイ工法・折板屋根下工法がおすすめ

工場屋根は、凹凸状の「折板屋根」が多いので、遮熱シートを取り付ける場合は折板屋根に適した方法を選ぶことをおすすめします。折板屋根に適した遮熱シートの取り付け方法は、主に2つあります。

折板屋根の場合、屋根の外側(外気側)へ施工するスカイ工法、または屋根内側へ施工する折板屋根下工法がおすすめです。スカイ工法とは、輻射熱の反射に優れたアルミ箔を使用したスカイシートを取り付ける工法のことです。シートを屋根に直接貼り付ける工法のため、作業者の技術力・天候の影響を受けにくく、いつどんな時に施工しても「均一な遮熱効果」を発揮します。一度の施工で輻射熱対策・雨漏り対策ができるので、「雨漏り対策を検討している」という方にも、おすすめの対策と言えるでしょう。

スカイ工法また折板屋根下工法は、折板屋根の下に遮熱シートを取り付ける工法のことです。折板屋根の下に遮熱シートを施工することで、屋根から放射される輻射熱を内側の遮熱シートが反射する働きにより、室温の上昇を防ぎます。

関連記事:工場に遮熱シートを施工するメリットとは?効果、施工箇所、施工事例をご紹介

機械に、遮熱シートを施工する

機械にも遮熱シートを施工することで、機械から放出される輻射熱を防ぎ、室内の温度上昇を抑えます。大きな機械には、テント状に縫製した遮熱シートを取り付ける「フィット工法」が有効です。

フィット工法フィット工法とは、遮熱シートをテント状に縫製し、機械を囲み込む工法のことです。遮熱シートを縫製加工することで、広範囲なシートを形成できるので、大きな機械でも輻射熱対策を行うことが可能です。

まとめ

工場の輻射熱対策は、以下のとおりです。

  • 遮熱機能付きの屋根材を使用する
  • 屋根に遮熱塗料を塗装する
  • 屋根用スプリンクラーを設置する
  • 工場の屋根に、遮熱シートを施工する
  • 機械に、遮熱シートを施工する

屋根材・遮熱塗料の施工には、コスト・工期がかかりますが、遮熱シートであればシートを貼り付けるのみなので、コストを抑えたい・工期を短縮させたい方にもおすすめです。工場の輻射熱対策を行って、夏の暑い時期も快適に作業できる環境を構築していきましょう。

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ライフテック
編集部

自宅や工場の熱問題に取り組む、株式会社ライフテックの編集部が執筆・監修を行いました。

当社は、断熱材だけでは防げない輻射熱を97%カットすることができる遮熱材「サーモバリア」を販売しております。サーモバリアは、住宅や工場などの屋根や壁に使用することで、夏の太陽の輻射熱による建物の温度上昇を抑え、体感温度を下げることができる、自宅や工場の熱問題の解消につながる製品です。

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