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折板屋根の施工手順を知ろう。折板屋根の施工種類、「重ねタイプ」の施工手順を解説します。

工場
折板屋根の施工手順を知ろう。折板屋根の施工種類、「重ねタイプ」の施工手順を解説します。

工場、倉庫、プレハブなどの建物では、一般的に凹凸がある「折板屋根」を使用します。折板屋根とは、金属素材を凹凸に加工した屋根のこと。屋根を凹凸形状にすることで、薄い鋼板でも高い強度で建物を守ることが可能に!

工場などの大きな建物では、凹凸のある「折板屋根」を屋根に採用して、屋根の強度をアップさせているケースが多いです。建物の強度アップに適した「折板屋根」の施工種類には、主に「重ねタイプ」、「はぜ締めタイプ」、「嵌合(かんごう)タイプ」の3種類あり。(※施工種類の具体的な説明については、後述にて詳しく説明)

折板屋根は施工種類によって必要な作業、手順が異なります。本記事では折板屋根の施工種類とともに、一例として「重ねタイプ」の施工手順について紹介していきます。

折板屋根とは

折板屋根工場、倉庫など大きな建物で使用されることの多い「折板屋根」には、具体的にどのような特徴があるのでしょうか?まずは、折板屋根の特徴やメリット、デメリット、使用される金属の種類について紹介します。

  • 折板屋根の特徴、メリット
  • 折板屋根のデメリット
  • 折板屋根に使用される「金属」の種類と特徴

折板屋根の特徴、メリット

折板屋根とは、金属の板を凹凸に折り曲げて加工された屋根材のこと。折板屋根は、屋根を凹凸にすることで強度(剛力・耐力)がアップし、雨、風から建物を守るメリットあり。折板屋根は、主に工場、倉庫などの大きな建築物の屋根材として用いられることが多いです。

長さのある「折板屋根」は、「長尺屋根(ちょうじゃくやね)」と呼ばれることも。その一方で、戸建て住宅で使用される「金属屋根」は、長さが短いため「短尺屋根(たんじゃくやね)」と呼ばれ、「長尺屋根」とは区別されています。

折板屋根のデメリット

折板屋根には「強度が高い」メリットがある反面、金属製で熱伝導率が高いことから、日射による輻射熱の影響を受けやすいというデメリットも……。

輻射熱とは、電磁波によって伝わる熱のこと。

輻射熱輻射熱には「人体の体感温度を上げる」作用があるので、暑さ対策に「遮熱対策」は欠かせないと言えるでしょう。折板屋根を使用した建物の遮熱対策には、輻射熱を反射する「遮熱シート」を施工する方法も。遮熱シートとは、輻射熱を反射する金属製アルミシートのこと。遮熱シートを折板屋根に施工することで、日射による輻射熱を反射し、室温上昇を抑えます。

折板屋根を使用していることの多い「工場」に遮熱シートを施工するメリット、効果については「工場に遮熱シートを施工するメリットとは?効果、施工箇所、施工事例をご紹介」でも詳しく紹介していますので、あわせてご覧くださいませ。

折板屋根に使用される「金属」の種類と特徴

折板屋根に使用される金属には、さまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。屋根材で使用される金属と、それぞれの特徴は主に以下のとおり。

  • ガルバリウム鋼板……金属をアルミニウム・亜鉛・シリコンでメッキ加工したもの。軽量で耐久性が高い
  • 亜鉛メッキ鋼板……冷間圧延鋼板に亜鉛メッキを施した材料。安価で入手しやすい
  • 塩ビ鋼板……鋼板に、ポリ塩化ビニル樹脂をコーティングした材料。耐久性、加工性、酸性雨に強い

金属の種類によって特徴が異なるので、施工する時は予算、目的に合ったものを選びましょう。

折板屋根の施工種類

「折板屋根」の施工方法には、大きく分けて3つの種類あり。施工種類によってメリット、デメリットに違いがあるので、施工する際はそれぞれの特徴を踏まえた上で選ぶことが大切。ここでは、折板屋根の施工種類について紹介します。

  • 重ねタイプ
  • はぜ締めタイプ
  • 嵌合(かんごう)タイプ

重ねタイプ

引用画像:折板(一般社団法人日本金属屋根協会)

重ねタイプとは、屋根と建物を繋ぐ「タイトフレーム(金具)」にボルトを設置して屋根を設置する方法のこと。重ね式でボルトを設置する時には、屋根材に穴をあけてボルトを貫通させ、ナット、座金、パッキンを使用して屋根を固定させます。ボルトとナットで固定することで「強度」に優れており、優れた強靭性を発揮。

その一方で、金属製の「ボルト」「ナット」の経年劣化により、サビが発生する恐れも。サビ防止のためにも、ボルト、ナット部分の定期的なメンテナンスが必要となります。

はぜ締めタイプ

引用画像:折板屋根とは?耐久性やメリット・デメリットについて(テイガク)

はぜ締めタイプとは、金属2枚を折加工して繋ぎ合わせる工法のこと。はぜ締めで施工する際には、梁の上に溶接で固定した「タイトフレ-ム(金具)」の上に、緊定金具を2枚の金属屋根材の端部で挟み、電動シ-マ-(締め機)で巻き込んで締めていきます。(引用:折板(一般社団法人日本金属屋根協会)

屋根葺き施工が屋根上から行える上に、ボルトの取り付けが不要となるので、雨漏りリスクは「重ねタイプ」より低くなるのが特徴。

嵌合(かんごう)タイプ

引用画像:折板(一般社団法人日本金属屋根協会)

嵌合(かんごう)タイプとは、金属屋根材2枚を吊子(固定金具)でタイトフレ-ムに止めてから、継ぎ目の上にキャップ をはめ込んでいく工法のこと。(引用:折板(一般社団法人日本金属屋根協会)

屋根面にボルトが出ないので、景観が美しいというメリットも。その一方で、他のタイプと比較すると施工費用が高くなります。

建物に折板屋根を施工する手順(重ねタイプの場合)

工場などで使用される「折板屋根」を施工する場合、上記で紹介した施工種類(重ねタイプ、はぜ締めタイプ、嵌合タイプ)によって必要な作業、手順が異なるので注意が必要。ここでは、施工手順の一例として、「重ねタイプ」を使用した場合の「折板屋根を施工する手順」について紹介しましょう。

  • タイトフレームを「梁」に取り付ける
  • 屋根材、タイトフレームをボルトで固定する
  • ボルトをナット(ハイセット)で固定する
  • ボルト、ナットの上に「ボトルキャップ」を取り付ける

タイトフレームを「梁」に取り付ける

画像引用:コラム第3回|折板屋根の施工方法について解説!-重ね式折板屋根編-(ヤネカナ)

「重ねタイプ」の施工手順では、鉄骨構造の「梁」上に「タイトフレーム」を溶接してから、屋根材を取り付けていきます。まずは、屋根と建物を繋ぐ「タイトフレーム(金具)」を、折板屋根を支える「梁」に溶接して固定するところからスタート。

「タイトフレーム」とは折板、梁と母屋を接合する金具のこと。折板屋根では、「梁」部分の鉄骨に「タイトフレーム」を溶接して取り付け、その後「折板屋根」を上から被せるように設置します。「タイトフレーム」の取り付けが完了したら、取り付けミスがないか確認することも忘れずに!

屋根材、タイトフレームをボルトで固定する

次に、屋根材をタイトフレームの上に乗せて、ボルトで固定します。ボルトは、建物などを固定する時に使用する「凸型をした金具」のこと。ボルトを取り付けす際には、まずタイトフレーム、屋根材に下穴をあけていきます。次に、タイトフレームの上に屋根を乗せて、穴部分にボルトを通し、締めていきます。

折板屋根は、主に「梁」上に溶接で固定された「タイトフレーム」を使用して設置しますが、梁と梁のスパンが広い、もしくは重ね式で屋根を設置する時には、専用の「ルーフボルト」を使用します。

画像引用:ルーフボルト いつどこで使うのか?(あかばね金具オンライン)

ボルトをナット(ハイセット)で固定する

画像引用:コラム第3回|折板屋根の施工方法について解説!-重ね式折板屋根編-(ヤネカナ)

屋根を「タイトフレーム」の上に取り付けたら、ボルトの上に「ナット」を取り付け、固定します。ナットとは、ボルトを固定する金具のこと。雨漏り対策を強化したい場合は、通常のナットではなく止水機能のある「ハイセット」を使用します。ボルト、ナット(ハイセット)の締め付け不足は「雨漏り」の原因に繋がる恐れがあるので、丁寧かつ慎重に作業を行う必要あり。

ボルト、ナットの上に「ボトルキャップ」を取り付ける

「折板屋根」のボルト、ナット部分は「鉄製」のため雨に弱く、経年劣化により腐食が進む可能性大。いざ交換しようとしても、メンテナンスにはコストと時間がかかるので、簡単に交換する事はできません。

そこで、雨漏り・サビ防止対策をしたい場合は、ボルトとナットの上に「ボトルキャップ」を取り付ける方法がおすすめ。

画像引用:工場などの折板屋根からの雨漏りはボルトキャップで防止!(アメピタ!)

ただし、ボルトとナット部分に「ボトルキャップ」をつけてたとしても、キャップの割れ、劣化で、そこから錆びが発生する可能性も……。サビ防止のためにも、「折板屋根」のサビチェック、または定期的なメンテナンスを忘れずに!

折板屋根の施工時には、遮熱・雨漏り対策が可能な「スカイ工法」を施工する方法も

熱伝導率の高い金属を使用した「折板屋根」は、日射による輻射熱の影響で、屋根に熱がこもりやすいというデメリットも……。輻射熱には「人体の体感温度を上げる」作用があるので、夏の暑さ防止に「輻射熱対策」は必要不可欠。

輻射熱対策には、塗料を屋根に塗る「遮熱塗料」、シートを屋根に貼り付ける「遮熱シート」の施工があります。凹凸のある折板屋根の場合、遮熱塗料だと塗り残しが起こる可能性大。塗りムラがなく、均一な効果を発揮したいなら、屋根に遮熱シートを直接貼り付ける「スカイ工法」の施工がおすすめです。スカイ工法とは、輻射熱の反射に優れたアルミ箔を使用したスカイシートを取り付ける工法のこと。

スカイ工法

シートを屋根に直接貼り付けるため、遮熱塗料のような塗りムラも防止。作業者の技量の優劣、作業時の天候に関係なく、均一な遮熱効果を発揮します。さらに「スカイシート」を屋根に施工すれば、折板屋根特有の雨漏れを防ぐ効果もあるので、一度の施工で熱対策、雨漏り対策が可能となります。

関連記事:スカイ工法

まとめ

「折板屋根」は、屋根を凹凸にすることで屋根の強度を高めるメリットあり。折板屋根の施工種類は、主に以下のとおり。

  • 重ねタイプ
  • はぜ締めタイプ
  • 嵌合(かんごう)タイプ

「施工手順の一例」として、「重ねタイプ」を使用した場合の「折板屋根を施工する手順」は以下のとおりとなります。

  • タイトフレームを「梁」に取り付ける
  • 屋根材、タイトフレームをボルトで固定する
  • ボルトをナット(ハイセット)で固定する
  • ボルト、ナットの上に「ボトルキャップ」を取り付ける

施工種類によってメリット、デメリットに違いがあるので、施工する際にはそれぞれの特徴を踏まえた上で選びましょう。

建物の強度が高い「折板屋根」ですが、その一方で金属製の「折板屋根」は熱伝導率が高いことから、夏の暑い時期は日射による輻射熱の影響を受けてしまいがち。屋根に熱がこもると、その熱が室内に降りてくるため、室温上昇の原因となります。

折板屋根の遮熱対策には、建物・屋根の施工時に輻射熱を反射する「遮熱シート」を併せて設置する方法がおすすめ。遮熱シートを施工することで、夏は日射による輻射熱を反射し、室温上昇を防止。さらに冬は、室内の熱を内側に反射させ、寒い時期も暖かく過ごせる効果も。

サーモバリアを冬で使用した場合の例建物を新設した際に、同時に遮熱対策を行えば、夏は涼しく、冬は暖かい「快適な環境」をすぐに構築できます。とくにシートを直接貼り付けるスカイ工法」で遮熱シートを施工すれば、遮熱、雨漏り対策が同時に行えるので、雨漏り・ボルトやナットのサビ防止対策にも。折板屋根を施工する時は、同時に「遮熱シート施工」といった遮熱対策なども取り入れて、夏の暑さ対策に繋げていきましょう。

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ライフテック
編集部

自宅や工場の熱問題に取り組む、株式会社ライフテックの編集部が執筆・監修を行いました。

当社は、断熱材だけでは防げない輻射熱を97%カットすることができる遮熱材「サーモバリア」を販売しております。サーモバリアは、住宅や工場などの屋根や壁に使用することで、夏の太陽の輻射熱による建物の温度上昇を抑え、体感温度を下げることができる、自宅や工場の熱問題の解消につながる製品です。

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