倉庫の暑さ対策とは?熱中症にならないために出来ることを個人と倉庫全体で分けて解説
日本の夏は、年々暑さを増しており、熱中症で緊急搬送される人も少なくありません。とくに倉庫は窓が少ない、壁や屋根が薄いなどの構造上、熱がこもりやすいため、暑さ対策を徹底させしておこなう必要があります。
暑さ対策を適切に行わないと、倉庫作業員の体調不良、熱中症の原因にも繋がるため注意が必要です。本記事では、日本の夏が暑くなる理由なども踏まえた上で、倉庫の暑さ対策や熱中症にならないための効果的な対策を個人と倉庫全体に分けてご紹介します。
- 暑さ対策は具体的にどんなことをしたらいいの?
- 手軽にできる暑さ対策はないの?
- どれくらいが工場で作業する際に適正な気温なの?
などに当てはまる方は、ぜひ最後まで読んでいただけると理解が深まると思います。
日本の夏の暑さの現状
日本の夏は非常に暑いですよね。まずはこの項目では、日本の暑さについてや、熱中症の現状についてお話をさせていただきます。
年々日本の夏は暑くなっている
国土交通省 気象庁による1991〜2020年の30年平均値をあらわしたグラフによると、日本の6~8月である夏の平均気温はさまざまな変動を繰り返しつつ徐々に上昇しており、長期的には100年あたり1.16℃の割合で上昇を行っています。このグラフから見ても、日本の夏はどんどん暑くなっていると言えるでしょう。
2021年の熱中症による救急搬送者は47,877人
総務省の統計では、令和3年(2021年)の熱中症による救急搬送者は合計で 47,877人でした。また、このうち6~9月の救急搬送人員は 46,251 人です。一日にしてみると、全国では平均して、約510名の方が熱中症になっているということです。
このことから分かる通り、日本の夏時期の熱中症は大変な問題であり、これは工場や倉庫でも例外ではありません。
倉庫内が暑くなってしまう主な原因
倉庫が熱くなってしまう主な原因は、以下の2つです。ここではその原因について簡単にご説明をします。
- 構造上の原因
- 空調設備の老朽化・故障
構造上の原因
倉庫が暑くなる主な原因は、屋根や壁、室内全体に太陽の熱がこもることです。倉庫や工場は、壁や屋根の面積が広く、直射日光の影響を受けやすいため常に熱を帯びている状態となります。
また、搬入した建築資材などの部材に蓄積された熱がそのまま屋内に止まってしまうことも考えられます。そのため真夏の倉庫や工場で空調設備がない場合、屋内の最高気温は40~45℃ほどまで上昇してしまいます。
なお、厚生労働省で定められている業務における適正気温の基準値である「WBGT(暑さ基準値)」によると、倉庫内作業における適切な気温の上限値は26~30℃のため、この数値を超えている倉庫や工場は早急に対応が必要です。
空調設備の老朽化・故障
倉庫内の温度が上昇する理由のひとつに、エアコンやクーラーファンなどの空調設備の老朽化、故障なども考えられます。とくに古い倉庫では、空調設備が古くなっており、機能が弱まっている、または故障が起きることも考えられます。
熱が溜まった倉庫内は、空調が効きづらく、上手く空調設備が機能しないとどんどん高温になってしまいます。そのためこのような空調設備を設置している場合は、早急に対策を取る必要があります。
暑さ対策を行う目的
ここまでで暑さ対策の必要性についてはわかっていただいたかと思います。ここからは、暑さ対策を行う目的について3点を詳しく解説をしていきます。
- 作業効率の低下を防げる
- 熱中症を防ぐ
- 製品の品質維持
作業効率の低下を防げる
倉庫内が暑いままだと、倉庫で働く労働者が汗を度々拭う、または服が汗で濡れてしまうなど、不快な状態が続くことあるでしょう。快適ではない環境での作業は、倉庫労働者にとっても作業に身が入らなくなり作業効率が落ちてしまいます。
その一方で、夏でも快適に過ごせる労働環境であれば、倉庫で勤務する社員が集中して作業を行えるようになり、生産効率の低下を防げます。倉庫労働者のやる気や、作業効率の低下を防ぐためにも、倉庫内の暑さ対策を行って適正温度を維持することが大切です。
熱中症を防ぐ
倉庫内の暑さ対策を行うことで、倉庫労働者による熱中症を防ぐことに繋がります。倉庫のように換気しづらい場所は、労働者の汗が蒸発しにくいため、労働者が体内の熱を逃がすことができなくなり、熱中症を引き起こす可能性があります。
従業員が熱中症になってしまうと、体に不具合が起こるだけでなく最悪の場合は死に至るケースも考えられます。大事な社員の健康を守るためにも、倉庫内の暑さ対策は必須と言えるでしょう。
製品の品質維持
倉庫内で保管する製品、商品の中には温度に弱く、物によっては高温により融解、変形することもあります。また、万が一製品、商品が熱でダメになった場合は損失が出ることも考えら得ます。そのため暑さで変化が生じやすい製品、商品の取り扱いを行っているならば、暑さ対策は必須です。
暑さ対策を行うことで倉庫内の温度を適正に保つことができ、保管している製品や商品の品質維持に役立ちます。とくに食品の場合は生もの、賞味期限が早いものなどデリケートな商品が多い上に、腐りやすい、劣化しやすいものが多くあるため、暑さ対策を徹底しましょう。
個人でできる効果的な暑さ対策方法3選
ここでは、まず個人でできる簡単な暑さ対策方法について以下の3つの方法をご紹介します。
- こまめな水分補給をする
- 空調服を着用する
- 市販の暑さ対策グッズを利用する
こまめな水分補給をする
暑い季節には、汗によって体内の水分が奪われる可能性があるため、汗で失った水分を補給するためにもこまめな水分補給をする必要があります。また、体内の水分が奪われると体調不良、熱中症の原因にもなるので、体を守るためにもこまめな水分補給を徹底させましょう。
ただ、猛暑日に体温上昇、汗をかくと水分のみならずナトリウム、カリウムなどのエネルギーが消費されてしまうため、こまめな水分補給だけではエネルギーが足りなくなり、熱中症になってしまうケースがあります。そのため、猛暑の暑さ対策には、水分と塩分を同時に接種できるスポーツドリンクによる水分補給もオススメです。
空調服を着用する
空調服とは、作業着にファンが組み込まれており、着衣内の空気を循環させる機構を備えたものとなります。空調服に組み込まれたファンが汗を瞬時に乾かすため、あせも、肌トラブルなどを防ぐことにも役立ちます。
ただし、空調服についたファンによってほこり・粉塵が舞いやすくなるため、それらが舞いやすい場所で着用すると、作業着の中に着ているインナーの汚れや故障の原因になる可能性があります。空調服を取り入れる場合は、ほこり、粉塵のない環境で利用するのが望ましいでしょう。
市販の暑さ対策グッズを利用する
市販で購入できる便利な暑さ対策グッズを利用することで、簡単に暑さを防げるようになります。暑さ対策ができる代表的なグッズには、以下のようなものがあります。
- 冷感インナー
- ヘルメットインナー
- 清涼インナー
冷汗インナーは、ベストの中に保冷剤などを入れたりすることで背中や脇から体温調節が可能になります。そのほかにも様々な暑さ対策グッズが出ていますのでぜひ実際に検索をしてみてください。
倉庫全体で行う効果的な暑さ対策方法4選
個人で行う対策とは違い、倉庫全体ではリフォームや機器の導入などでも暑さ対策が可能です。ここでは代表的な倉庫での暑さ対策について以下の4つの方法をご紹介します。
- エアコンの修理・新調・設置
- シーリングファンの設置・導入
- スポットクーラーの導入
- 遮熱シートを屋根に導入する
エアコンの修理・新調・設置
エアコンは室内に冷気、暖気を入れて快適に過ごせるアイテムです。ただし、エアコンは電化製品であることから、老朽化、もしくは故障すると上手く機能しなくなります。さらに、適切なサイズのエアコンを設置できていない場合、作業員がずっと暑い環境に耐えて働き続けなければなりません。
また倉庫従業員が増えた場合は、その分熱気がこもりやすくなり、エアコン1台だけでは効果が弱いと感じることもあるでしょう。その際は、エアコンの新調や追加などで対応する必要があります。
シーリングファンの設置・導入
シーリングファンとは天井につける大きな扇風機のことであり、止まった空気を循環させることが可能です。倉庫内は窓が少なく、暖められた熱が天井付近にこもりやすいため、シーリングファンを設置することで空気の循環を促します。
とくに食品用の倉庫、食品工場などの環境では、商品が腐らないよう外部から密閉されている環境が多く、空気の循環が悪いことから、熱がこもりやすい空間になってしまいがちです。食品の場合、商品によっては熱により劣化、腐るなどの原因となるため、熱がこもる場合は対策を取らなければなりません。
ただし天井が高すぎるなど、倉庫や工場の構造によっては理由で設置が難しいこともあるため、導入する際には十分検討する必要があります。
スポットクーラーの導入
スポットクーラーとは、上記のように大きなホースのようなものから冷たい空気が排出されるクーラーのことであり、下部にキャスターがついているため自由に動かすことができます。スポットクーラーは電源プラグさえあればどこでも使えるので、導入に手間がかからないメリットがあります。
その一方、スポットクーラーは冷気を出す過程でタンクに水が溜まるため、排水処理をしなければなりません。また、一部の箇所だけしか冷やすことができないため、倉庫や工場全体を快適にするのは難しいというデメリットもあります。
遮熱シートを屋根に導入する
遮熱シートは、屋根や壁につけることで輻射熱という暑さの原因である太陽の熱を防ぐことが可能です。倉庫や工場のように屋根が大きい場所では、日射による熱が室内温度の上昇に最も大きな影響を与えるため、遮熱シートは非常に効果的です。
遮熱シートはアルミ純度が高ければ高いほど日射の反射率が高くなるため、選ぶ際はアルミ純度の高い商品を選ぶのがおすすめです。当社商品の「サーモバリア」はアルミ純度99%を使用しており、輻射熱を97%反射することが可能です。サーモバリアを工場の屋根に施工をする場合は、スカイ工法という工法がもっともおすすめです。弊社の実験では、スカイ工法によって室内の気温がマイナス11度となった実験例もございます。さらには、室内の温度が下がることによって、30%の省エネも実現しました。
スカイ工法についてご興味のある方は、ぜひ以下の関連する記事やページも合わせてご覧ください。
【まとめ】
ここまで、倉庫の暑さの原因や具体的な暑さ対策の方法などについて解説をしてきました。倉庫や工場は、個人でできる暑さ対策として以下の8点を紹介しました。
- こまめな水分補給をする
- 空調服を着用する
- 市販の暑さ対策グッズを利用する
- エアコンの修理・新調・設置
- シーリングファンの設置・導入
- スポットクーラーの導入
- 遮熱シートを屋根に導入する
倉庫や工場は、屋根も広く直接日光の影響を受けやすいためしっかりと対策を行っていない場合すぐに熱中症などになってしまう恐れがあります。そうならないためにも一つずつ対策を行い、個人として、倉庫全体として暑さ対策を徹底し、快適な職場環境としていきましょう。
また、弊社ライフテックは倉庫や工場などの暑さ対策として遮熱シート「サーモバリア」を販売しております。倉庫の暑さ対策でお悩みの方は、アルミ純度99%を使用したサーモバリアを屋根に施工することで温度を10度ほど下げることも可能です。
もしご興味のある方は、遮熱シート「サーモバリア」のカットサンプルやカタログなどを無料でお送りさせていただいておりますのでぜひこちらも合わせてご確認ください。
編集部
自宅や工場の熱問題に取り組む、株式会社ライフテックの編集部が執筆・監修を行いました。
当社は、断熱材だけでは防げない輻射熱を97%カットすることができる遮熱材「サーモバリア」を販売しております。サーモバリアは、住宅や工場などの屋根や壁に使用することで、夏の太陽の輻射熱による建物の温度上昇を抑え、体感温度を下げることができる、自宅や工場の熱問題の解消につながる製品です。
当社製品のサンプル請求、記事に関するお問い合わせなどは、各フォームからお気軽にご相談くださいませ。
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