私たちは、エアコンやドライヤーなど、風(空気)を伝って、暖かさや冷たさを感じることができます。その風や空気で伝わる熱のことを「対流熱」と言います。
この記事では「対流熱ってなんだろう?」「対流熱ってどんな仕組みなの?」という疑問に向けて、わかりやすく解説していきたいと思います。
対流熱とは?
対流熱とは、液体や気体などの流体の移動によって伝わる熱のことです。
例えば、温風ヒーターやドライヤーなどから温風を発生させ、身体を温めたり、髪を乾かしたりしますよね?これはヒーターやドライヤーが機械内で空気を温め、送風し、人(または髪)に熱が伝わっていることを表します。
対流熱の仕組み
また流体(液体や気体)は、温度が上昇すると体積が増え密度が小さくなります。反対に、温度が下降すると体積が減少し密度が大きくなります。つまり密度が小さくなると軽くなるため、流体は上昇します。反対に密度が大きくなると重くなるため、流体は下降します。もう皆さま、お気づきですね。
画像引用:暖房しても足元ヒンヤリ・・・。|株式会社アセットフォー様
自宅でエアコンをつけた時に、床周りに冷たい空気が集まり、天井や二階付近に暖かい空気が集まるのは、この温度上昇に伴う密度の変化によって、流体が移動したことによるものです。(自宅の場合、床からの冷気や、太陽光の輻射熱の影響もありますが、今回は説明を省かせていただきます。)
覚えておきたい、その他の熱
この後は、対流熱についてより詳しく理解していただくために、あらためて熱の種類について見ていきましょう。熱には、伝導熱、対流熱、輻射熱の3種類があります。
それぞれの熱のについては、以下の通りです。
- 伝導熱……湯たんぽ、ホットカーペット、カイロのように、直接触れて伝わる熱のこと。
- 対流熱……エアコン、温風ヒーターのように、風や空気で伝わる熱のこと。
- 輻射熱……電気ストーブや床暖房、太陽のように、遠赤外線によって伝わる熱のこと。
対流熱は流体の移動によって熱が伝わるのに対し、伝導熱は直接物質を通じて伝わる熱のこと、輻射熱は遠赤外線によって伝わる熱、といった特徴があります。それぞれ熱移動の仕組みが異なるので、混合しないよう注意しましょう。
まとめ
熱には3つの種類(伝導熱、対流熱、輻射熱)があり、その中の対流熱とは、流体・気体などの移動によって伝わる熱のことです。
もしこの後、暑さ対策や寒さ対策を考えている場合は、その熱の発生原因が何かを突き止めるようにしましょう。もしその熱が対流熱であるのならば、断熱材などを使用し、熱対策を行うことができます。反対に輻射熱の場合は、断熱材を使用しても熱の移動を止めることはできないので、熱の種類に合わせて対策を考えましょう。