数多くの工場では、温度管理が義務つけられていたり、重要視されています。しかし、なかには「工場の温度管理は、本当に必要なのか?」と、温度管理の必要性に対して疑問を持たれている方も少なからず見えることでしょう。
では、一体なぜ工場では温度管理が重要視されているのでしょうか?そこで当記事では、工場内で温度管理をする理由や、工場内の温度が悪くなる原因も含めた上で解決法、温度管理の方法について説明します。
目次
工場内における温度管理の必要性とは
工場内で温度管理する必要性には、具体的にどのような内容があるのでしょうか?まずは、工場内で温度管理をしなければならない必要性について解説していきます。
労働安全衛生規則に定められているため
工場の温度管理については、労働安全衛生規則の第六百六条に以下のように明記されています。
第六百六条 事業者は、暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場で、有害のおそれがあるものについては、冷房、暖房、通風等適当な温湿度調節の措置を講じなければならない。
また、労働安全衛生規則の六百七条には具体的に「半年に1回」を目安に定期的に温度、湿度の測定を義務付けています。このことから、労働者が快適に過ごせるように工場内の質温度の調整と測定が義務付けられており、会社の義務となっていることから工場内の温度管理を行う必要があります。
労働者の健康維持のため
暑熱、寒冷、多湿などの環境で労働者が長時間働き続けると、健康面にさまざまなリスクが起こることが懸念されます。とくに温湿度の高い作業環境で労働者が働き続けると、熱中症になる可能性が高くなります。労働者の健康や安全を守るためにも、温湿度の調整と測定は欠かせません。
工場でよくある問題としては前述の熱中症があります。具体的な対策などについては下記の記事に詳しく書いてありますので、ぜひ参考にしてみてください。
工場稼働率や不良品率への影響
工場内の機器や商品の品質は温湿度に影響されやすいため、適切に保てていないと工場稼働率や商品の不良品率にも影響します。また、工場内の機器や商品の品質保持には、工場内を一定の温度にすればいい訳ではなく、個々の機器や商品に合わせて、適切な温度と湿度の管理をしていく必要があります。
とくに湿度は40%を超えると、電子機器や精密機器に静電気が発生し、電子回路が破損するなどのリスクがあります。電子機器工場、精密機器を取り扱う工場では、温度だけでなく湿度にも重点を置いてチェックする必要があります。機器と商品の品質保持のためにも、マメに温度、湿度をチェックして管理を徹底化させましょう。
工場内の温度管理が難しい原因/理由とは?
工場内の温度は熱がこもりやすく、温度が上昇しやすいなど、温度管理が難しい傾向にあります。では、なぜ工場内の温度は上がってしまうのでしょうか。そこで、次に工場内の温度が悪くなる原因と、それぞれの解決法について紹介していきます。
エアコンの故障/効果が弱い
広い工場だとエアコンが多く設置されていたり、大きなエアコンが設置されているケースが多いと思います。しかし、数の多さ、もしくは大きなエアコンをフル稼働させていることからエアコンが故障しやすいなどの問題があります。エアコンに故障がないか、きちんと稼働するかなど定期的にチェックしておきましょう。
日射による熱
屋根が広く直射日光が当たりやすい環境であれば、工場内に熱がこもりやすくなるため、温度管理が難しくなります。そもそも熱は高いところから低いところへ移動する性質があることから、真夏の工場では太陽によって暖められた熱が、屋根を通して気温の低い工場内に伝わり、室内の温度を上げてしまいます。
このように、屋根に当たる日射からの熱(輻射熱)を防ぎたい場合は、遮熱塗料や遮熱シートなどを屋根に施工し熱の侵入を防ぐなどの対策を行う必要があります。屋根からの熱の対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
機械からの熱
産業用機器、工作機械が稼働する工場では、金属同士の摩擦、またはモーターの熱などにより機械部品の膨張や変形が起こりやすいため、温度管理が重要です。とくに熱を発生させる機器が多い工場の場合は、より室温が上がりやすいため温度チェックを欠かさないことが大切です。
機械からの熱を防ぐためには、機械を直接遮熱材などで包み対策する、フィット工法が非常に有効です。弊社の調査では表面温度が200℃の溶鉱炉にフィット工法を施工したところ表面温度が25℃まで下がりました。実例やくわしい内容は以下をご確認ください。
関連記事:乾燥炉や機械から出る熱を大幅にカット
工場内の温度管理対策とは?
工場内で温度管理をするには、その工場の温度がなぜ上がる、または下がるのかについて原因を知った上で対策を取る必要があります。たとえば、エアコンの故障が原因であれば早急に修理を行う必要があります。
また機械から発生される熱が原因の場合は、暑い作業場の温度を下げる作用のある冷却パイプ、適切な空調管理ができるようになるクリーンルームの導入や専用のクーラー、ファンなどを利用して対策を行い、温度管理をしていくことが必要になります。
日射による熱が原因の場合は、遮熱シートの導入がオススメです。遮熱シートには、外からの熱を抑える効果が期待できます。屋根に遮熱シートを施工することにより、日差しからの熱を反射しの熱が入るのを軽減させることが可能です。
とくに屋根が広い工場であれば、エアコンを導入するよりも屋根に遮熱シートを貼ることで安価に温度管理が可能です。屋根に施工をしていただいたお客様のインタビュー記事も合わせてご確認ください。
他には熱を発生する機器に遮熱シートを囲み込んで熱を抑えるフィット工法があります。フィット工法は、屋根への施工と併用することでより高い遮熱効果を期待できます。
また、フィット工法を活用いただき工場内の機械温度を大幅にカットしたお客様の事例も合わせてご確認ください。
まとめ
これまで工場の温度管理の必要性、原因や対策について説明してきました。工場内の暑さ(寒さ)対策を行うには、暑さや寒さの原因を見極めた上で効果的な対策をする必要があります。たとえばエアコンの故障が原因であれば修理、機械から発生される熱が原因ならば、冷却パイプやクーラーの導入などを検討してみるといいでしょう。
もし工場内の暑さが日射によるものであれば、屋根に遮熱シートを施工することで日光による熱の侵入を防げるかもしれません。工場内の温度管理を検討されている方は、弊社の「サーモバリア」の導入もぜひ検討してみてくださいませ。
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