倉庫は構造上面積が広く、暖房の効率が悪いことから室内が温まりにくく、従業員が寒さを感じやすくなります。
従業員が寒さを感じるような過酷な作業場に身を置くと、体調不良やモチベーション低下を招き、作業効率や生産性の低下を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。
従業員が快適な環境で作業を行うためにも、倉庫に適した防寒対策を取る必要があります。本記事では倉庫が寒くなる理由を踏まえた上で、効果的な倉庫の寒さ対策について紹介します。
目次
倉庫が寒くなる理由
倉庫は構造や取り扱い製品の問題から室内を暖めるのが難しくなり、室内が寒くなります。まずは倉庫が寒くなる理由について、具体的に紹介します。
- 施設面積が広く、天井が高い構造のため
- 保管製品の温度管理をするため
施設面積が広く、天井が高い構造のため
倉庫は施設面積が広く、天井が高い構造のため暖房の効率が悪いことから、寒さを感じやすくなります。
倉庫は安全な作業や貨物の保管のため十分な広さが必要となるため、暖房で室内を隅々まで温めるのに時間がかかり、なかなか温まりません。
さらに暖かい空気は建物の上部へ溜まるため、天井が高いほど空気を循環させるのが難しくなり、暖房の効きが悪くなります。
保管製品の温度管理をするため
倉庫は保管製品の温度管理を行うことから、冷たい製品の取り扱いが増えると室内が寒くなります。倉庫で保管する製品は、保管製品の維持管理のために「保管温度帯」を守る必要があります。
保管温度帯とは、配送・保管時の温度指定に使われ、主に常温・冷蔵・冷凍の3種類があります。保管温度帯は、製品を保管するために必要な温度、または配送商品の特性に合わせて定められています。
一般社団法人「日本冷蔵倉庫協会」によると、それぞれの温度帯区分は以下の通りです。
画像引用:一般社団法人「日本冷蔵倉庫協会」保管温度帯について
- 常温 5~18℃
- 冷蔵 10~マイナス18℃
- 冷凍 マイナス18℃以下
倉庫は保管製品に合わせて温度をあわせる必要があるため、冷蔵、冷凍など冷たい製品保管するほど室温が低下し、作業員が寒さを感じやすくなります。
関連記事:一般社団法人「日本冷蔵倉庫協会」保管温度帯について
倉庫の寒さによって起こる問題
倉庫が寒くなると従業員の体が冷えることから、体調不良などさまざまな問題を招く恐れがあります。まずは倉庫の寒さによって起こる問題について、それぞれ詳しく解説します。
- 「冷え」により、従業員が体調を崩す
- 従業員のモチベーションの低下
「冷え」により、従業員が体調を崩す
倉庫内が寒くなると、従業員の身体が冷え、体調を崩す原因となります。体が冷えると血流が悪くなり、免疫細胞の働きが低下します。 ウイルスなどの外敵と戦う免疫細胞の働きが悪くなると、風邪を引くなどの体調不良を招きやすくなります。
さらに冷えによって血流が悪くなると、肩こりや腰痛など他の疾患を招く可能性も高くなります。
従業員のモチベーションの低下
倉庫内が寒いままなど、労働環境が改善されないと従業員が気持ちよく作業に取り組めなくなり、モチベーションが低下する原因となります。
寒い倉庫内だと、従業員に「作業を早く終わらせたい」という気持ちが働く、または寒さが気になって作業に集中できなくなる人が増え、作業効率の悪化や生産性の低下を招きます。
または「この環境では仕事を続けられないから、辞めたい」という社員が増え、離職率が高くなる恐れがあります。
倉庫の寒さ対策
倉庫は寒さ対策を行うことで、温かく過ごせるようになります。本項目では倉庫の寒さ対策として、個人でできるものから業者にお願いする方法まで具体的に紹介します。
- 気密性の高いインナーを着用する
- カイロを使用する
- ビニールカーテンを設置する
- ストーブの背面に遮熱シートを設置する
気密性の高いインナーを着用する
作業着の中に気密性の高いインナーを着用することで、寒い環境でも暖かく過ごせるようになります。とくに冷凍製品の取り扱いなど寒さが過酷な倉庫であれば、トップス、ボトムスなどのインナーを気密性の高いものにするのがおすすめです。
気密性の高いトップスは体の熱が外に逃げるのを防ぎ、さらに冷気の影響が受けにくくなるので寒さ対策に効果的です。気密性の高いトップス、ボトムスは通販でも購入できます。おすすめのトップス、ボトムスは、以下の通りです。
- アルメデス 裏起毛 インナー 長袖 998円 (税込)
アルメデスの裏起毛インナーは、気密性の高い裏地毛を採用しており、寒い環境でも暖かく過ごせます。インナーは生地を繋ぐ縫い目の厚みを大幅に減らす「特殊縫製」を採用しており、衣類としての質が高く、動きやすいので倉庫での作業におすすめです。 - キレイラボ 完全無縫製 9分丈ボトム 2,750円 (税込)
キレイラボの完全無縫製9分丈ボトムは、ユニクロのヒートテックで話題になった吸湿発熱素材を使用したヒートインナーです。ヒートインナーの着用により、寒い環境でも暖かく過ごせます。
カイロを使用する
倉庫作業時にカイロを使用することで、寒い環境でも暖かく過ごせます。カイロには直接貼るタイプ、服の上から貼るタイプなど目的に合わせてさまざまなアイテムが用意されていますので、自身の作業に適したものを選びましょう。
カイロは、薬局や通販でも購入可能です。通販で購入できるおすすめのカイロは、以下の通りです。
- 桐灰カイロ 巻きポカ 足首用 1セット (ホルダー2個+シート4枚) 1,222円 (税込)
「桐灰カイロ 巻きポカ 足首用」は、足首に巻いて使用するカイロです。倉庫は天井が高く、温かい熱が上にこもりやすいことから足元が冷えやすくなります。足首用のカイロを使用することで、足元の冷えから守ります。 - 快温くんプラス貼る鬼熱レギュラー 10枚x24個セット 9,211円 (税込)
「快温くんプラス貼る鬼熱レギュラー」は貼るタイプのカイロなので、作業着の裏などに貼り付けることができます。カイロには遠赤外線効果のある天然ミネラル機能鉱石パージが配合されており、寒い時期も温かく過ごせます。
ビニールカーテンを設置する
倉庫の出入口にビニールカーテンを取り付けることで、室内の温めた空気が外に逃げるのを抑え、室温低下を防ぎます。ビニールカーテンとは、ポリ塩化ビニール製の間仕切りのシートのことです。
ビニールカーテンは室内の熱を逃がさないだけではなく、外の冷気が倉庫内に侵入するのを防ぐ効果も期待できます。外部の冷気の影響を受けにくくなることから暖房効率がアップし、冬も暖かく過ごせるようになります。
ストーブの背面に遮熱シートを設置する
遮熱シートをストーブの背面に設置することで、輻射熱を外へ逃さず、効率良く作業場所を暖めることができます。遮熱シートとは、輻射熱を反射するアルミ製のシートのことです。
ストーブの背面に遮熱シートを設置することにより、作業者側に熱が多く伝わりやすくなり、寒い時期も暖かく過ごせます。冬の工場の寒さ対策については「冬の工場の寒さ対策を 6つご紹介|寒さの原因を知り、適切な対策をしよう!」でも紹介しています。合わせて読んでみてください。
遮熱シートを倉庫に設置するなら、断熱材との併用がおすすめ
遮熱シートを倉庫に設置するなら、伝導熱、対流熱を抑える働きを持つ断熱材との併用がおすすめです。熱の移動には輻射熱、伝導熱、対流熱の3種類があります。
遮熱シートを倉庫に設置することで電気ストーブなどの輻射熱を室内側へ反射する作用がありますが、湯たんぽ型の伝導熱、エアコン型の対流熱を抑えることはできません。
そこで、伝導熱、対流熱を抑える働きを持つ断熱材と併用することで、すべての熱移動を抑える「理想の断熱」が実現します。
まとめ
構造や取り扱い製品の関係で寒さを感じやすい倉庫では、寒さ対策を行うことで温かく過ごせます。倉庫の寒さ対策は、具体的に以下の通りです。
- 気密性の高いインナーを着用する
- カイロを使用する
- ビニールカーテンを設置する
- ストーブの背面に遮熱シートを設置する
倉庫の寒さ対策は個人でも可能ですが、ビニールカーテンや遮熱シートの設置など業者に依頼することで、より広範囲の寒さ対策を行うことが可能です。
遮熱シートの設置方法はストーブの背面の他に、パーテーションのようなものに遮熱シートを取付け、作業場所を簡易的に囲む方法もあります。作業場所を遮熱シートで囲むことで、ストーブの「輻射熱」を外へ逃さず、効率良く作業場所を暖めます。
遮熱シートはアルミ純度が高いほど反射効果が高いので、アルミ純度99%以上のアルミ箔を使用した「サーモバリア」の使用がおすすめです。当社の「サーモバリア」の施工をご検討中の方は、カットサンプル・カタログの無料請求も可能ですので、お気軽にお申し込みくださいませ。